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萩で農業をするということ
本土の萩市は、全体として東部の中国山地から北西部の日本海に向かう傾斜地で、低地は少く台地が広がっています。また、萩島嶼部においては、島としては珍しい平坦な台地を有しています。これらの萩一帯は、火山に育まれた肥沃な土壌であり、こうした地勢のなかで本土の7エリアすべてと有人3島で農業が営まれています。
現在の萩農業の“カタチ”は、県北特有の気象と地形にあるといっても過言ではありません。
たとえば、日本海沿岸の“冬の短い日照時間”は、農業にとっては痛手となりますが、比較的、萩に多い「台地」は、太陽の光が遮られることがなく、光が土に集中することもあって、地域農業の生産拠点となっています。この環境下でブランド産品の「千石台大根」などは発展してきました。また、同じくブランド産品の「山口あぶトマト」は、積雪もあるエリアでハウス栽培をしています。しかし、一年中トマトを育てることはせずに、冬にビニールを剥ぎ、良質な堆肥を土に撒いて雪・雨・風にさらし、夏から秋の収穫に備えるようにしています。土の“エステティック”を行いながら、病害虫が越冬できないように降雪時の寒さを利用します。こうやって萩農業は、自然にある程度寄り添うような、無理をせずに自然と調和を図るような営農をやってきました。
市内の農用地の7割が水田で、コシヒカリやヒノヒカリなどのほか、酒造業、畜産業との連携による酒造好適米や飼料用米の生産をしています。また、葉物野菜から夏みかんやりんご、桃や梨などの果実の栽培、肉用牛や酪農といった牧場も点在しており畜産も盛んです。萩の地形は、海抜0メートルから約400メートルの傾斜地で、平野はなく大量生産は難しいとされています。しかし、この地形や気象の好条件を活かして昔から少量多品目の生産を行っており、それらは良質・良食味の作物と定評があります。
そして今でこそ、半農半X(エックス)という働き方がありますが、萩農業においては、いわゆる「百姓」の語源にあるような複数の品目を栽培したり、冬の間は別の職業を持ったりなど、パラレルキャリアの姿がずっとありました。
近年では、新規就農のお問い合わせや移住をして農業を始められる方が増えてきました。家族で移住する場合は、家庭内での事前のお話し合いをおすすめしています。農業は究極の家族協業だからです。また、単身であっても現在はとくに人手不足の状況にあって、集落にはもともと「手間替え」「結い」という習慣があり、繁忙時にお互いの農作業を現金ではなく労力を提供することが存続しており、助け合いの風景がよく見られます。こうした人と人との繋がりを求めてくる都会出身の方もいます。
一般企業を定年退職し、60歳から農業に従事する方もいます。農業は年老いてもできる仕事です。また、はじめは農業に関心がなくとも、萩や田舎暮らしをしてみてそのまちの暮らしが気に入ったり、「この、おいしい食材を作ってみたい」という思いからのアプローチであったりと、きっかけは様々にあります。少なくとも一年分程度の生活費の蓄えは用意され、焦らずじっくり新規就農を考えてから行動に移されても萩農業には遅くありません。
地域情報
1萩地域
主な農産物
ブロッコリー・ナス・夏みかん・イチゴ
2旭地域
主な農産物
ゆず・かぼちゃ・白菜
3川上地域
主な農産物
ゆず・馬鈴薯・たまねぎ・かぼちゃ
4福栄地域
主な農産物
白菜・キャベツ・かぼちゃ・メロン・キュウリ
5須佐地域
主な農産物
たまねぎ・ホウレンソウ・かぼちゃ・菊・ゆず
6田万川地域
主な農産物
たまねぎ・ブロッコリー・もも・なし・ぶどう
7むつみ地域
主な農産物
だいこん・トマト・馬鈴薯・ネギ・キャベツ
8大島
主な農産物
ブロッコリー・葉たばこ・たまねぎ・馬鈴薯・ソバ
9相島
主な農産物
すいか・さつまいも
10見島
主な農産物
キュウリ・たまねぎ・馬鈴薯